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Add Some Comedy To Your Day

フリーの小噺と好きな音楽

「音楽を聴く」ことについての「初心者」って、いったい誰のことなんだろう

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ヒップホップはそれこそ「初心者」ですが、音楽を聴くことの「初心者」っていうのが、昔からどういう人のことなのかモヤモヤしていたので、現時点で思うことをアウトプットしておこうと思います。

 

まず、すごく飛躍したことを言うと、「初心者」なるものが存在するジャンルって、広義の意味では「終わったジャンル」になっちゃうんじゃないかっていうことなんですよ。

 

「初心者」がいるってことは「上級者」がいますよね。そうすると「初心者」から「上級者」をつなぐ一本の「体系」がしっかり出来上がってるってことですよね。私が言いたいのは、そういう「体系」があるジャンルはもう歴史的には一周してこれ以上新しいものは出てこないっていうことになってしまわないかってことなんです。歴史の教科書の中で、「平安時代」とか「鎌倉時代」とか、そういうひとまとまりでくくられているように、「ヒップホップ」っていうジャンルはもうそんな感じでひとくくりにされてしまうようなジャンルになってしまったような感じが、このタイトルからすごくしてしまいました。

 

 

もういちど読む山川日本史

もういちど読む山川日本史

 

 

モダンジャズとかがまさにそうで、もう何やっても過去の焼き増し感を強く感じてしまうのは、送り手側の問題もあるかもしれんけど、受け手側のメイン層(自称『ジャズ上級者』)が、「ジャズを聴くならまずはこの順番・この名盤・マイルス、エヴァンスコルトレーン」みたいな「体系」をガッチリ作ってしまったがためなんじゃないかと思うんです。そういう「体系」固めのせいで、受け手側が自由に聞く幅が広がらなくなってしまった。歴史的に本筋の「大乗ジャズ」と、そこから外れた「小乗ジャズ」の2つしかなくなってしまった、という感じがしますよね。

 

 

 

ヒップホップ、特に日本のものなんて、結構新しいジャンルのような気がしてましたけど、もうこうやって「ひとまとめ」にしようとする人たちが出てくる時代に来てしまったんだなあ、とある種感慨深いものがありますよね。まあ私は「ひとまとめ」に体系づけられていた方が、CD買う時に迷わなくて済むんで全然ありがたいんですけど。喜んで「初心者」として、その体系の列にのいちばん後ろに並びたいと思うんですけど。

 

まあでももっとユルくてもいいとは思うんですよ。言って、たかが「音楽」ですよ?まして私ら聞き手側はそれでご飯を食べてるわけでもないわけで。明日戦争が始まったら、真っ先にお上から切り捨てられる分野の一つでしょう。逆に言えば、だからこそ「音楽を聞くことに時間やお金をかけられる」ってこと自体に幸せを感じられるわけですし。

体系の本筋を成す「歴史的な曲」だろうが、そうでない「周辺の曲」だろうが、それが好きで、その曲を聴いてると楽しいんだったらそれでいいでしょう。どの曲が体系の位置関係の中で優れているかなんて、それこそ「平安時代」とか「鎌倉時代」とか、くくれるようになってから考えればいいことで、ヒップホップはそれをするにはまだもったいないジャンルだと思うんですが。

 

音楽を聞き始めたころって、CD買って、家に帰って、あのビニールのピロっとしたところをはがすたびにすごいワクワクしてたじゃないですか。「音楽を楽しむ」という意味では、もしかしたら「初心者」と呼ばれる人たちがいちばんの上級者なのかもしれんですよ。「楽しみ方を知っている」っていうことでね。

 

 

WAKUWAKUさせて

WAKUWAKUさせて

 

 

他人に自分の好きなものをオススメするって、絶対「善意」からくる行動だと思うし、一つ一つのレコメンド理由を丁寧に25コも書くって、かなりのサービス精神が備わってないとできないことだから、あんまりディスるような感じにはしたくはないんですが。まあ自分用の忘備録ということで。

 

最後に、私の音楽聞きの師匠、大滝詠一さんが、2010年の「山下達郎のサンデー・ソングブック」内の名物コーナー「新春放談」で、山下達郎さんと語った言葉を引用して終わりたいと思います。

 

大滝「だから、エルヴィスの『ザッツ・オール・ライト・ママ』も飛ばす、エヴァリー(ブラザーズ)の『バイ・バイ・ラブ』も飛ばす。だから、第一項第一章を飛ばすんだよね。(中略) 第一項第一章は飛ばさないとなかなか入れないし、で、結局そこで入らない人もいるんだよ。食わず嫌いっていうのは、おそらくその第一項第一章が難しくて、その入り口で門前払いくらったような感じがして、たぶん入んないんだと思う。そういう人たちに言いたいのが、第一項第一章なんて飛ばしていいものなんだよ。第二項でも第三項でも第四項でも…」

山下「入れるところから入っていけばいい」

大滝「そうなんだよ。入ってしまって、で、入ってしまって第十章まで行くと、何か1%の欠落感を覚えるんだよ。なんなんだろうこの最後の1%はって。99%まで行ったら必ず誰でも気になるんだよ」

山下「なるほど」

大滝「その1%がどこにあるかっていうと」

山下「いちばん最初」

大滝「第一項第一章にあるんだよ」

山下「ふーん」

大滝「チャンチャンなんだよなあ」

 

 

 

チャンチャン♪