天パのジャケットで名盤5選
私は天然パーマです。いわゆる天パです。
天パってやっぱり若い頃はストレートなサラサラヘアーにすごい憧れがあるじゃないですか。それで、自分の髪のウネウネ感にかなりコンプレックスを持つじゃないですか。
私も、それこそ中学・高校の頃は自分の天パがすごく嫌でした。(大学生になるともうハゲてきたのでその悩みは上書きされました)
天パのせいで自分に自信が持てず、女の子にもモテず、部活のレギュラーにもなれず、後藤さんにフラれ、受験にも落ち、暗い青春を過ごしました。すごいです、逆進研ゼミ状態です。
しかし、そんな私を救ってくれたのが、他でもない、天パのミュージシャンでした。天パでもいい音楽を作れる。いい音楽を作ればスターダムにのし上がれる。それを彼らは教えてくれたのです。おかけで私は自分の天パに自信を持つことができるようになりました。そして一念発起し起業。今では年商200億を稼ぐネオヒルズ族で、モデルのセフレが8人いて、超高級外車を5台所有し、プール付きのマンションで最高の女とベッドでドン・ペリニヨンです。
そんなわけで、今日は素敵な天パジャケットの名盤をご紹介します。天パに幸あれ!光あれ!
Bob Dylan 『Blonde On Blonde』
ディランの名盤は数あれど、天パ度で選べば圧倒的にこれでしょう。なぜかピンボケしているディランのポートレート、しかも激しい天パ。にもかかわらずメチャクチャにかっこいい。さすがはボブ・ディランです。
ロック史上初の2枚組(CDでは1枚)となった本作は、バイク事故直前のディラン円熟期をとらえた名盤で、ディランの頭の中にある奔流するイメージを、これでもかこれでもかと浴びせられます。特に私は「スーナー・オア・レイター」「アイ・ウォント・ユー」「メンフィス・ブルース・アゲイン」の3曲の並びが大好きで、ここにいつも圧倒されます。硬派なミュージシャンとして知られるボブ・ディランですが、「アイ・ウォント・ユー」では〈ポップなディラン〉の魅力が全開で、ラストの狂おしくも切ないハーモニカの乱れ吹きにはいつも胸をかきむしられます。
ディランのアルバムジャケットは、ばっちりキマっているものと気を抜きすぎているものとの差が激しいですが、これはいいですね。
他にも有名な「女の如く」なども収録されています。
Art Garfunkel 『Watermark』
- アーティスト: アート・ガーファンクル
- 出版社/メーカー: Sony Music Direct
- 発売日: 2004/02/25
- メディア: CD
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天パが渚でくつろぎながら、こっちを見ているジャケットです。
「最高の作曲家・兼作詞家・兼ギタリスト・兼アレンジャーのポール・サイモンと、天パのアート・ガーファンクル」で知られる名コンビ、それがサイモン&ガーファンクルです。
ソロ時代も音楽的に話題になるのはポール・サイモンの方が多く、ガーファンクルは笑いと天パを担当しているイメージが強いですが、もちろん彼もただの天パ野郎ではありません。アート・ガーファンクルは、20世紀ポピュラーミュージック史上最高の歌手であると同時に、優れた選曲眼を持ち合わせた才人なのです。
本アルバムは1977年に発表された、アート・ガーファンクル3枚目のソロアルバムですが、ほぼすべての曲の作詞作曲を、ガーファンクルお気に入りのソングライター、ジミー・ウェッブが担当しています。ジミー・ウェッブは、フィフス・ディメンションの「ビートでジャンプ」や、グレン・キャンベルの「恋はフェニックス」をはじめ、多くのヒット曲を生み出した名ソングライターとして知られる人物です。
ジミー・ウェッブはアンニュイなブロークンハートの失恋歌を書かせたら右に出る者はいない名ソングライターです。このアルバムでは、ジミー・ウェッブの曲が持つ独特の翳りと、ガーファンクルの澄んだ歌声が見事にマッチしています。一曲目の「泣きながら目覚めて」から、涙なしには聞けません。
どちらかと言えばサイモン派の私ですが、この『ウォーターマーク』は、サイモン&ガーファンクル時代の諸作と合わせても一番好きなアルバムです。
ちなみに、「ハゲがサイモン、天パがガーファンクル」という覚え方をしている方もいらっしゃるかもしれませんが、現在はガーファンクルの方もハゲているそうなので、これを機会に覚え方を改めた方がいいでしょう。
Carol King 『Tapestry』
ここで女性の天パをひとつ。
通称『つづれおり』。ロックの名盤ガイドなんかにも必ず登場する、名盤中の名盤です。
「天パ」「スッピン」「ジーンズ」「猫」という非常にナチュラルな手触りを感じさせるジャケットですが、中身も非常にキャロル・キングの自然体な魅力を感じさせるアルバムです。
キャロル・キングはもともと60年代には専業作曲家として活躍していた人で、夫で作詞家のジェリー・ゴフィンとコンビを組んで数々のヒット曲を生み出しています。
ソングライターとしては抜群の才能を発揮していた彼女ですが、自ら歌うのはもっぱらデモテープの中で、彼女自身の歌声が発表される機会はそれほどありませんでした。
そんな裏方の彼女が、お世辞にも「うまい歌手」とは言えないにもかかわらず、自らの声で表現を始めたことが、70年代のシンガー・ソングライターブームに火をつけることになります。
たとえばこのアルバムでは、彼女がソングライター時代に提供した「ウィル・ユー・ラブ・ミー・トゥモロー」や「ナチュラル・ウーマン」が収録されています。それぞれオリジナルは、シレルズとアレサ・フランクリンで、どちらも非常に高いクオリティとヒットを記録しています。にもかかわらず、この2曲が作者本人であるキャロル・キングの「あまりうまくはない」声で歌われたとき、オリジナルにはなかった、リアルで、それでいて温かみのある新しい手触りを持って聞くものに寄り添う感動が生まれます。
このほかに、彼女の代表曲「君の友だち」なども収録されています。
天パって、なんかよくわからないけどとっつきやすいイメージがあるじゃないですか。僕も知らない人から道を聞かれる率が異常に高いです。天パって、そういう身近な温かみを感じさせてくれるキャラクターの人が多いんじゃないですかね。そんなことを思う天パ名盤です。
Michael Jackson 『BEN』
「ネコと天パ」で来たので、お次は「ネズミと天パ」です。「キング・オブ・天パ」マイケル・ジャクソンが、切なげにどこかを見つめているジャケットでおなじみ、『ベンのテーマ』です。
なんといってもこのアルバムは一曲目のタイトルナンバー「ベンのテーマ」がすべてでしょう。
もともとこの曲は、1972年の映画『ベン』のテーマソングです。この映画は、ネズミが人間たちを襲うパニック映画『ウィラード』の続編として作られたものですが、『ウィラード』がネズミの大群が次々と人を襲う恐怖映画になっているのに対し、『ベン』は、そんなネズミたちのリーダー・ベンと、病弱な少年ダニーとの心の交流を描いた友情物語になっています。
とにかく当時14歳だったマイケルの歌唱力!14歳と言えば普通の男子なら声変わりでさぞ歌いづらい時期だと思うのですが、そんな心配もなんのその、とにかく圧巻の一言です。マイケルは、ダンサブルなナンバーでのパフォーマンスもちろん素晴らしいですが、バラード系の表現力が本当に深いです。特に、マイケルが気に入っていたという下の歌詞の一節の部分は泣かせます。
I used say, “I” and “Me”
Now it’s “Us”
Now it’s “We”
もともとこの曲はダニー・オズモンド(比較的サラサラヘアー)のために書かれた曲なのですが、故あってマイケルに回されることになります。歌詞を書いたドン・ブラックは「歌詞を見たマイケルがとても興味を持って、歌いたそうにしていた。彼は動物が好きなうえ、大変感受性が強いんだ」という趣旨の発言をしています。このエピソードからも天パの人間は、ストレートヘアーの人間に比べて、感受性と他者への共感能力が非常に発達していることがわかります。この「I」から「We」への共感力が、のちの「We Are The World」につながっていくのではないでしょうか。天パ For アフリカ!
葉加瀬太郎 『THE BEST OF TARO HAKASE』
THE BEST OF TARO HAKASE (DVD付)
- アーティスト: 葉加瀬太郎
- 出版社/メーカー: HATS UNLIMITED
- 発売日: 2011/08/10
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最後は、バイオリンを弾く天パです。
っていうか、これ、すごくないですか?この人、天パなんですよ?どこからこのドヤ顔をする自信が生まれるんでしょう。すごいです。
自分が天パだからって落ち込んでいる方は、とりあえずこの動画を見れば力が湧いてくると思います。
まとめ
というわけで、すべて葉加瀬が持って行った感がありますが、いかがだったでしょうか。あと、ティム・バックリーとかも入れたかったんですが、疲れたんでやめます。
まあ、天パは天パでいいところもいっぱいあるし、自信を持っていこうということですよね。
最後になりますが、冒頭で申し上げた、私が年商200億を稼ぐネオヒルズ族というのは嘘です。あと、モデルのセフレもいません。電車通勤です。プールの付いていない賃貸アパートに住んでいます。ドンペリは北海道に出張に行ったときに、すすきのの怪しいガールズバーで騙されて一回飲んだことがあります。あじがわからないので、本当にドンペリかどうかはわかりませんでしたが、5万円取られたので、多分本物だったのだと思います。あと、天パなのは本当です。
The History of Shogo Hamada―Since 1975
- アーティスト: 浜田省吾,愛奴,江澤宏明,板倉雅一,星勝,水谷公生,町支寛二,梁邦彦
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
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全部天パのせいや!天パのバカ!