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Add Some Comedy To Your Day

フリーの小噺と好きな音楽

走るのに最適なビートルズのアルバム決定戦〜RUNNING with The Beatles vol.4

完全に言い訳になるが、歩くだけで足の裏が痛いという状態に陥ってしまい、走ることができなかった。ちょっと体験したことのない類の痛みだったのでかなり怖かったが、2週間ほどでまったく痛みを感じなくなったので心底ほっとしている。飯が食えることと健康であることは、それを失ってみるとありがたみが身に染みる。

というわけで、もはや自分のためだけに終わりまで書く。第4弾。

 

『Magical Mystery Tour』

 

 

  • タイム 54.08
  • 走行時爽快感 ★★★★
  • ベストランニングソング 「Your Mother Should Know」
  • ワーストランニングソング 「Blue Jay Way

 久々に走るので恐る恐るだったが、冒頭の「Magical Mystery Tour」から疾走感いっぱいで、なかなか好感触。サイケな「I Am The Walrus」「Strawberry Fields Forever」などは走りにくいかと予想していたが、意外なほど無問題だった。たぶん、どの道走っている間はディテールまで聞きこめないので、曲の骨子とジョン・レノンのボーカルさえしっかりしていれば足が動くということなのだろう。かえって曲本来の良さがわかる。セルフ・ストリップド状態。

I Am the Walrus

I Am the Walrus

 ベストランニングソングに選んだ「Your Mother Should Know」は、浮かれず騒がず堅実ながら身に染みる名曲で、着実に歩を進めてくれた。このほか「Hello Goodbye」「Penny Lane」といったポールの名曲は極めて走りやすかったのだが、それを支えているのは間違いなくリンゴ・スターのドラムである。正確かつ堅実なドラミングでボーカルを生かしつつも、時々提示される控えめながら魅力的かつボーカルを邪魔しないオカズは、まさにランニング向け。

またもワーストランニングソングに選出されてしまったジョージのインド曲「Blue Jay Way」は、やはり酸素が薄い状態で聞くのはキツイ。インドどうこうというより、インド寄りのアレンジをしていること以外これといった特徴がない単調な曲だからキツイのかもしれない。インストの「Flying」と続きで聞くとなお一層辛いものがあった。

Blue Jay Way

Blue Jay Way

 ともあれ全体としてはバランスがよく、タイムもブランクがあった割にはソコソコなので、★4つが妥当なところだと思う。

 

 

『Let It Be』

 

レット・イット・ビー
 

 

  • タイム 53.08
  • 走行時爽快感 ★★★★★
  • ベストランニングソング 「I’ve Got A Feeling」
  • ワーストランニングソング 「I Me Mine」

 フィル・スペクターのオーバープロデュース云々で、割合敬遠されがちなアルバム。しかしながら、久々にビートルズの(相当ラフだが)スタジオライブが堪能できる作品で、後日オーバーダビングを施されたものの、一発録りの熱さを感じることができる、かなり好きなアルバム。

「曲はいいが、ラフすぎたりオーバープロデュース気味だったりのバラつきがある」という本作の弱点は、とりあえずリズムをキープするよりどころさえあればいいランナーには気にならないもので、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ、そしてビリー・プレストンのホットな演奏の前では無問題。また、「『Dig It』や『Maggie Mae』などの余計な曲が入っている」といった指摘も、幸いなことにその2曲が2つ合わせても2分に満たない短さのため、「Revolution9」のような大きなダメージにもならず、ついでに言うとこの2曲、確かにアルバムに収録した意図は不明だが、「走りにくい」という類のものでもなく、特に苦にならなかった。

ベストランニングソングに選んだ「I’ve Got A Feeling」以外で特に走りやすかったのが、「One After 909」「Get Back」で、とにかく〈ポール=リンゴ〉のリズム隊の強力なビートに足が進む。ビートルズが演奏し、ジョンとポールが勝手気ままに歌えばどう転んでも何とかなるということか。

One After 909

One After 909

 またもジョージで申し訳ないワーストランニングソングの「I Me Mine」も、「変拍子だからノリにくい」というだけで、「Within You Without You」「Blue Jay Way」とは選出の基準が違う。もしかしたら、割とキツイ5km地点あたりで「The Long And Winding Road」が出てきたことの方がムカついたかもしれない。今まさにその「ロングアンドワインディングロードを走っとるわい」という意味で。どちらにしても些細な問題で、このアルバムの走りやすさには変わらない。

「Naked」を持ってない方には、ランニングはセルフで「Naked状態」を作り出すことができる、おすすめの聞き方となった。ここに来てうれしい★5つ。

Let It Be

Let It Be

 

 

 

 

Abbey Road

アビイ・ロード

アビイ・ロード

 

 

  • タイム 52.58

  • 走行時爽快感 ★★★★

  • ベストランニングソング 「Octopus’s Garden」

  • ワーストランニングソング 「I Want You(She’s So Heavy)」

 まごうことなき名盤。そのため聞き込み度合いも高く、相当走りやすかったが、「Let It Be」を超えるかと言えば難しい。理由としては、「I Want You(She’s So Heavy)」という長くて重い曲の存在が大きく、その他、名曲ながら意外と走りにくい「Here Comes The Sun」「Because」といった曲、そして、「The End」が終わった後「Her Majesty」が始まるまでしばらく無音になるといった要因を差し引き、★4つとさせていただいた。

「ジョン→ジョージ→ポール(×2)→リンゴ」と続くA面1曲目からの流れは素晴らしく、特にリンゴが歌う「Octopus’s Garden」は、楽しく足が軽くなる素敵なランニングソング。

Octopus's Garden

Octopus's Garden

 B面のメドレーも、言うにや及ばず素晴らしいが、特に「Golden Slumbers」「Carry That Weight」「The End」の3曲は、「この状態で聞いても感動するもんなのか!」と感心。「The End」のドラムソロで、なぜビートルズの音楽がここまで(基本的には)走りやすかったのか、その根本を知ることができる。偉大なるかなリンゴ・スター

The End

The End

 

 

 総評

とにかく今日は「リンゴすごい!」ということをお伝えしたいですね。テクニックをひけらかすことなく、あくまでボーカルを際立たせることに特化したリンゴの正確なドラムプレイは、走るうえで大きな力になってくれます。

というわけで次回が最後です。シングル集の『Past Masters Vol.1』『同vol.2』及び、企画盤の『Yellow Submarine』で締めたいと思います。よろしくどうぞ。