走るのに最適なビートルズのアルバム決定戦〜RUNNING with The Beatles vol.1
どうも、小・中・高と、体育の成績はいつも2か3だった田島です。中学生のころは、体育の授業で大きな声を出して仕切るサッカー部員が何よりも嫌いでした。
そんな僕ですが、何の因果か嫁さんの家族が揃ってスポーツ大好き一家で困ったことになっています。先日、「ダイエットのために最近ちょっと走ってる」なんてことを、そんな嫁の実家で口走ってしまったがために、義父から地元の新春マラソンに誘われてしまいました。その距離10km。
ルール説明
- ビートルズの公式アルバム全13+2枚(オリジナルアルバムと、シングルベストの『パストマスターズ』2枚)を対象とし、最も走るのに適したアルバムを決定する
- 評価は、客観的な評価軸「タイム」と、主観的な評価軸「走行時爽快感」で決定する。「走行時爽快感」は5段階評価とし、★5つを「最高の爽快感」、★1つを「爽快さまるでなし」とする。
- ランニング中は、指定の距離を走りきるまで同一のアルバムをリピート再生する。曲順はシャッフルせず、アルバムの収録順に流れることとする
- 走る距離は一律で8.5kmとする(自宅から近所のケーズデンキまで行って帰ってくる距離。交通量も多く、夜でも安心な道を通れるため)
以上です。それでは本日は、初期3枚の結果発表です。
『Please Pease Me』
- タイム 56.14分
- 走行時爽快感 ★★★★
- ベストランニングソング 「I Saw Her Standing There」
- ワーストランニングソング 「A Taste Of Honey」
- 所感
ポールの熱い「ワンツッスリッファーッ!」で絶好調なスタートを切り、その後の展開も申し分なく、走行時爽快感でなかなかの評価を得た。
しかしその1曲目「I Saw Her Standing There」があまりにもスタートダッシュにハマりすぎたため、序盤に飛ばし過ぎた。これが原因で1km地点で早くも呼吸が大きく乱れてしまう。しかし3曲目の「Anna」のメロウな曲調に大いに救われ、ゆったりとペースダウン。ダメージを最小限に減らすことができた。
「Chains」「Boys」「Ask Me Why」「Please Please Me」の流れはかなりの走りやすさを感じた。しかし、大体3km地点での「Love Me Do」からかなり辛くなっていき、「P.S. I Love You」がイントロなしで始まった段階でテンポを一瞬見失って意識が遠のく。これにミュージカル風の「Taste Of Honey」で完全にとどめを刺された。結局ここで一回走る足を止める。「Twist And Shout」でジョンが「カモカモンカモンカモンベイビー」と叫んだ時も、まったくカモンすることができず歩いていた。
2週目の「ワンツッスリッファッ!」でようやく走りを再開することができたが、タイムはあまり伸びなかった。まあ1回目なので、やりきっただけでもほめてほしい。本当のところ、走っているときは音楽など聞いている余裕がないというのが感想である。元も子もないかもしれないが、ファーストアルバムというのはそういうもん。
The Beatles - I Saw Her Standing There [2009 Stereo Remastered HD]
『With The Beatles』
- タイム 57.30分
- 走行時爽快感 ★★★
- ベストランニングソング 「Please Mister Postman」
- ワーストランニングソング 「I Wanna Be Your Man」
- 所感
個人的にビートルズは圧倒的に初期派である。このアルバムは全オリジナルアルバムの中でも相当好きな部類に入るということもあり、走る前から期待値は高かったが、前半はそれを裏切らない走行時爽快感であった。
『Please Please Me』の反省を生かし、ジョンのドスの利いたボーカルがさえる「It Won't Be Long」で飛ばしすぎないよう細心の注意を払ってスタート。
特にランニング初心者にとって、「All I've Got To Do」「Till There Was You」「You Really Got A Hold On Me」といったBPMゆったりめの曲が随所に盛り込まれている点は、ペース調整の際にありがたかった。まずは「歩かず完走」を目指す状況においては、ガンガンノッていく曲よりも、むしろこうしたバラード系が重要であることを知る。
ベストランニングソングに選んだ「Please Mister Postman」のほか、「All My Loving」「Devil In Her Heart」は特に走りやすい曲だった。逆に「Little Child」「Roll Over Beethoven」あたりは早すぎてついていけない。「I Wanna Be Your Man」がワーストランニングソングに選出されたのは、息も絶え絶えな4~5km地点で、息も絶え絶えなリンゴのボーカルが入ってしまったことと、イントロの入りにくさなどが理由。この企画はいろいろな意味でリンゴにかかっていることを実感。
The Beatles - I Wanna Be Your Man - Lyrics
結局最後の曲「Money」でジョンに金をせびられた時点で走る足が止まった。これだけ報われない企画をやっているのに、なぜそのうえ金をくれなどと言われなければならないのか。こっちはマメが潰れたんじゃ。などの怒りのあまりこの企画ごとやめようかと思った。それ以降は結局歩いたり走ったりしながらゴール。
『A Hard Day's Night』
- タイム 53.45分
- 走行時爽快感 ★★★★★
- ベストランニングソング「When I Get Home」
- ワーストランニングソング「I'll Cry Instead」
- 所感
かなりペースを落とし目ではあったが、初めて完走を達成した。
とにかくこのアルバムは、ちょうど折り返し地点のケーズデンキで「When I Get Home」(邦題は『家に帰れば』)の「ウォウウォハー!」が流れたという奇跡がすべてである。このミラクルに俄然励まされ家路につき、最後まで完走することができた。
ジョン・レノンの単独作品がずらりと並ぶ本アルバムであるが、合間に入るポールの3曲「And I Love Her」「Can't Buy Me Love」「Things We Said Today」がいいペース調整になっていたのもポイント。特に、苦しいときの「Things We Said Today」は、止まりそうな足を再び動かす力があった。さすが邦題が「今日の誓い」だけのことはある。
ワーストランニングソングとした「I'll Cry Instead」も、あえて挙げれば、という意味合いでの選出。BPMが少し早すぎたのと、ちょっとノリにくかった程度で、リンゴの歌う「I Wanna Be Your Man」とは性質が違う。そういえばこのアルバム、ビートルズには珍しく、リンゴが歌う曲がない。それも好評価に傾いた理由か。
総評
というわけで、今回の3枚中で、走るのに最適なビートルズのアルバムは、タイム・走行時爽快感とも他2枚と差をつけ、初めての完走を達成した『A Hard Day's Night』に決定。しかしながら、『Please Please Me』『With The Beatles』に関してはほとんど3km以上走ったことがなかった自分の体力の問題だった気もする。結論を出すにはまだ早いが、やはりビートルズは走るときも初期だ、という感想を抱いた。
とりあえず次回へ続く。