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クールビズとかいうダサい運動、もうやめにしませんか?

いやほんとにね、毎日暑いです。

うちの親父は、僕が物心ついたあたりから夏になる度「今年の暑さは異常だわ」と叫んで、「今年のボジョレーヌーボーのでき」に匹敵する評価軸の甘さを毎年露呈させてましたが、最近になると全然それも笑えません。実際ずっと「異常」だったのです。スーツを着て外回りをするような大人になって、それがようやくわかった気がします。

 

僕が今の会社に入ったのが2010年で、本格的に「クールビズ」が義務付けられるようになったのが2012年のことでしたので、もしかしたら一般の企業よりは少し遅かったかもしれません。当初は多くの社員に支持され、「これでようやくうちもまともな会社に近づいた」と喜ばれたこの動きでしたが、3年たって周りを見渡してみると、やっぱりこれは「失敗」だったんじゃないかな、と思う毎日です。

断っておきますが、「暑い夏を少しでも涼しくするために、服装は軽装にしよう」という基本コンセプト自体にはなんの反論もありません。むしろ当然の発想であり、出てくるのが「遅すぎた」とさえ思えます。「今年の暑さは異常だ!」と叫んでいたうちの親父は、僕の記憶では毎日ジャケットを着て出勤していたのです。その光景こそむしろ異常です。

 

ただし、その結果として、「スーツのジャケットを脱いで、ネクタイを外してもいいことにする」としたのが圧倒的に失敗です。「サラリーマン」という言葉はもともと「ダサさ」と「うだつの上がらなさ」の象徴でもありましたが、この中途半端で偽物の「クールビズ」運動によって、それがさらに加速されたように思います。

 

「スーツ」の定義とその素晴らしさ

私は服飾のことは専門ではありませんが、少なくとも毎日着るスーツに関しては通り一遍の知識はあるつもりです。「スーツ」とは、「ジャケット」「スラックスパンツ」「ネクタイ」「革靴」の一揃いを合わせてそう呼ばれる「総称」であり、「ワイシャツ」はその「下着」という扱いなわけです(以後の文章でも、私が「スーツ」と書いたらこの「一揃い」を指すものとしてご理解ください)。もともとこの「一揃い」で使われることを前提としたスーツは、非常に機能的で美しく、少々不細工だろうが太っていようが痩せていようが、サイズさえ合ったモノを着ていれば、ある程度はいい男に見え、かつ多少の暑さ寒さには耐えれるという、西洋服飾技術の結晶ともいえる代物なのです。

私が、初期ビートルズにたまらない魅力を感じるのも、音楽も外見も各々個性的な格好をしていた後期に比べ、彼らのスーツ姿が圧倒的にカッコよく、4人で並んだ絵面は、統一感がありながらそれぞれのスタイルとルックスが引き立ち、そのビジュアルが心をつかんで離さないからというのが大きいのです。

 

 

「新しいものを作る」ではなく「完成された有り物から何か引く」という最低の発想

ですが、そのスーツが耐えうるとされる「多少の」暑さ寒さというのが、ヨーロッパの気候に則して考えられたものであって、日本の、少なくとも夏場の風土には合っていないというのはいまさら言うまでもありません。だからこそ日本の夏は、「スーツ」ではなく、「別の適した格好」を「フォーマルな衣装」として採用すべき、というのが本来の「クールビズ運動」の骨子なわけです。もう一度書きますが、必要とされているのは「スーツではない衣装」です。これも繰り返しとなりますが、「スーツ」というのは「ジャケット」だけでなく「スラックスパンツ」や「ネクタイ」という要素も含めての一揃いの衣装のことです。我々サラリーマンがありがたがって受け入れている、「ワイシャツとスラックスと革靴」という格好は、通常のスーツスタイルから「ジャケットとネクタイを引いた」、中途半端な未完成のスーツスタイルにすぎないのです。

「スーツスタイルからジャケットとネクタイを取ってもいいことにする」という今のクールビズ運動は、たとえるなら「麻雀牌が欲しいんだけど、全部一揃えだと値が張るから萬子と筒子だけ買ってきた」というようなもんです。*1そんな中途半端なことをするくらいなら麻雀牌なんか欲しがるなということです。

「スーツ」という完成されたスタイルから要素を引くことによって成果を得ようとしている愚かさ、狡さ。これに僕は腹を立てているわけです。ワイシャツなんてもともと「下着」なんですよ!言ってしまえば日本のサラリーマンは夏はみんな下着で街をうろうろしてるんです。それだったらもう「Tシャツにジーンズ」でも変わんねーじゃん、むしろそっちの方が完成されたスタイルとして優れてるじゃん!と思うわけです。半そでのワイシャツなんか着るくらいならそっちの方が絶対カッコイイです。

 

LIFE

LIFE

 

 

「カッコイイと思える姿」で仕事をしたい

「カッコイイ」という言葉を何度も使いましたが、「仕事においてカッコよさなんか必要ない」という方も中にはいらっしゃるかもしれません。そういう方は、今日のTVニュースを見てください。新橋あたりでインタビューを受け、「暑くてたまらんです!」とか何とか言っている今どきの「クールビズスタイル」の中年サラリーマンの姿を。彼が「仕事ができそうな人」に見えますか!

個々のセクションの専門性がどんどん細分化され、どんな職種であろうが多少なりとも他人との折衝を伴わなければ物事を進めることができない現代において「仕事ができなさそう」というのはそのまま「仕事ができない」に直結してしまう恐れがあります。事は見た目の問題にとどまらないのです。

もっと個人的なところで言えば、「サラリーマンはダサさの象徴」と書いた僕ですが、僕自身も一人のサラリーマンなわけです。毎日「俺ってイケてるぜ」と思える格好をして颯爽と仕事したいじゃないですか。そう思える格好をしていた方が、仕事もはかどるような気がしませんか?

 

「ゼロから新しいものを作る」ことは難しいが、少なくともその覚悟はいつも必要

少なくとも僕の周辺で「クールビズ」がただただダサいオッサンをさらに量産した失敗運動に終わってしまったのは、「スーツ」というものを単なる服装とみなして、その背景にある西洋の文化や気候を全く無視してしまったからのように思えてなりません。「スーツ」という一つのスタイルを完成させるまで、紆余曲折の歴史があったはず(服飾史は勉強したことがないので予測でしかありません)が、それを無視して結果として出来上がってきた「スタイル」だけを取り入れてしまうというのは、明治以来、日本の功罪両面あるやり方なわけです。

本気で「クールビズ」をやりたいんだったら、日本の風土や気候や文化にあった新しい歴史を作る気概で取り組まないといけないんです。「夏の日本はこの格好だ!」と百年後の人々が当たり前に思えるような、「スーツ」とは全く違う、ゼロベースでの検討と仕組みづくりが本来であれば必要だったはずなのに、安易に既存のものから要素を引くという楽な手順を踏んでしまった結果、仕事ができなさそうな日本人が街にあふれる結果になったのです。

「ゼロベースで考える」というのは、口で言うほど簡単ではありません。スーツ業界という既得権益との戦いや古い慣習に固執する者たちとの戦いが、そこには待ち構えています。しかし、「自分がかっこいいと思える姿で快適に仕事をしたい」という欲求に素直になるなら、そこに負けるわけにはいかないのです。本当のクールビズ運動を達成するために僕たちに必要とされているのは、その「覚悟」なのです。

 

それが大事

それが大事

 

 

 

今こそ立ち上がれ、ニプレス業界!

さあ、もう一度考えてみましょう。

真のクールビズと呼ぶにふさわしいスタイルの条件は以下の3つです。

  1. 既存の要素から何かを引くのではなく、それ自体で成立するようなスタイル
  2. 古い慣習にとらわれない、むしろそれを破壊するくらいのスタイル
  3. みんなが「カッコイイ」「ステキ」と思えるスタイル

この3点を踏まえ、僕個人として真のクールビズスタイルとして掲げるのが「ニプレス」です。いや、僕以外の皆さんにも同意していただけると思います。ニプレスしかないでしょう、むしろ。

ニプレスはこれ以上何を足すこともなく絵的に成立するスタイルです。そして何を引くこともできません。「何も足さない、何も引けない」のです。

そして、これまでの慣習をぶち壊す存在感があります。革新的で素晴らしい文化というのは、そうであるほど最初のうちは奇異に思えるものです。ニプレスのオッサン同士での商談は、最初こそ奇異かもしれませんが、10年続けていればそのうち慣れます。大丈夫です。

そして、ニプレス一つ(二つと数えるのが正解か)で仕事に励む人の姿を想像すると圧倒的にカッコイイ。職人的な輝きを感じさせます。子どもが憧れることも間違いなしです。

ニプレス業界においては早急に新しいフォーマルスタイルでのニプレス開発にいそしんでもらい、普及を行っていただきたい。クールビズを進める環境省の皆さんには、促進のためニプレス登庁・ニプレス勤務をおこなってもらい、現行の環境大臣望月義夫氏には、ニプレス会見・ニプレス質疑応答・ニプレス答弁などで、積極的な国民への認知を図っていただきたいと思います。

 

 

アイメディア ニップルシール20枚セット

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以上、連日の暑さでフラフラの田島でした。ニプレスニプレス!それではごきげんよう

 

 

*1:無理に比喩を使おうとして余計にわかりにくくなってしまった好例として、あえて削除せず残しておきます。